【税理士監修】中古車販売で利益を上げる会計のコツ

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利益を上げようと考える前に、まずは現状の経営状況を明らかにする必要があります。そこで、誰が見ても理解できるような会計をしましょう。そうすることで、客観的に経営状況を把握することが可能となり、どういった方法で利益を上げればいいのか判断することができます。

とはいえ、中小企業ではきちんと会計方法を理解している人は少数でしょう。今回の記事では会計のコツをわかりやすく説明します。

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Chapter
財務諸表ってなに?
経営状況をわかりやすくする
売上目標だけではなく利益目標を立てる
開業時期は毎月、在庫管理をする
節税は損をする
会計を外部に出す費用より社長の時給のほうが高い

財務諸表ってなに?

会社の実態を把握する最も効果的な資料が「財務諸表」です。「財務諸表は読めないなぁ…」という方もたくさんいるでしょうが、財務諸表を読まずに行う経営は、地図も持たずに雪山に登るのと同じです。とはいえ、いきなり完璧に把握することは難しいです。

まずは貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書について簡単に説明します。

貸借対照表

「貸借対照表」は簡単に言うと、会社のお金の流れを表現しています。表の右側には「お金の調達先」が書かれています。主な調達先は金融機関や株主となるでしょう。左側には「お金の使い道」が書かれています。在庫や機械等、何にいくら使ったかが書かれています。

貸借対照表は難しいので、最初のうちは次の3つだけを意識してください。「現預金の総額」「借入金の総額」「自己資産の総額」です。それぞれが資産総額のどの程度の割合なのかを把握することがポイントです。現預金の総額と自己資産の総額は30%以上を、借入金の総額は30%以下を目指しましょう。

損益計算書

「損益計算書」は簡単に言うと、1年間の会社の成績表です。売上と経費と利益で構成されています。損益計算書の中にたくさんの経費や利益がある理由は、いろいろな視点で経営を見るときにわかりやすくするためです。

全部を考えるのは難しいので、最初のうちは「売上総利益(粗利益)」の額がきちんと増えているかを意識してみてください。

キャッシュフロー計算書

「キャッシュフロー計算書」は一定期間の入出金をまとめたものです。最初のうちは使う必要はありませんが、強いて言うなら「利益と現金は同じではない」という点を意識してみてください。

経営状況をわかりやすくする

会計情報は会社の状況を把握するのに最も効果的な道具です。数字しかありませんから、全てを把握することは難しいです。しかし他の情報と比べて正直で比較することができるため、客観的に経営状況を把握することができます。

会計処理をするためには、経営状況をわかりやすくしましょう。特に中古車販売業の場合、大きなお金が動くため、実態を正確に数字に反映しないと、実態と数字が大きく乖離してしまいます。

例えば、原価にあたるものは車両の仕入額だけではありません。仕入れた車に手を加え価値を高める場合には、修繕費も原価となります。自社でできない作業を外部の業者にお願いすれば、外注費も原価です。他にも車両の陸送費やオークション手数料もあります。これら総額で見ると決して安価ではありませんよね。

こういった経費を、「経理がよくわからないので」という理由で原価計算せず、販売費及び一般管理費に放り込んでしまうのは良くありません。経営状況がわかりづらくなり、経営判断をするときに適切な行動をとることができなくなってしまいます。

売上目標だけではなく利益目標を立てる

財務諸表を読むのが苦手な社長の多くは「売上目標」だけを立てますが、「利益目標」も必要です。一見売上が増えることは良いことに感じますが、必ずしもそうだとは限りません。売上はとても分かりやすい指標なので、売上に意識が行き過ぎてしまうのはわかります。しかし売上が上がっているのに経営が立ち行かなくなる可能性はゼロではありません。

経営は儲けなければなりません。儲けとは「利益」です。極論を言えば、売上が下がっても利益が上がればよいのです。特に中古車販売業の場合、1回の取引金額が高額になります。少し売れただけでものすごい売上が増えたように感じますので、売上ばかりに目を向けてしまうと利益が見えづらくなります。

例えば車を仕入れて修繕を行い、ほぼ利益なしの価格で売却すれば簡単に売上は上がります。そんなことをする会社なんていないだろうと思うでしょうが、売上だけを目標にした会社では往々にして起きる問題です。こうなってしまうとほとんど利益が上がりません。いくら台数を売ろうと手元にはほとんど残りません。

このような問題を回避する方法は、経営目標に利益を加えることです。その際に役に立つ指標が先ほどあげた「売上総利益(粗利益)」です。もちろん最終利益は一番大事ですが、さまざまな要因が絡むため少し難しくなります。まずは売上総利益の額を意識した経営をしましょう。

開業時期は毎月、在庫管理をする

中古車販売業は他の業種と比べて在庫が高額になりやすい業種です。そのため毎月の利益を計算するには、毎月末で在庫を計算する必要があります。以降で説明をしますが、少し難しい説明になりますので、わからない場合は、「とりあえず在庫を毎月計算して、経理をしなければいけない」と覚えてください。

中古車販売業では、在庫管理を毎月きちんと行うことで正しい売上総利益が計算できます。売上総利益は売上から原価を引くと計算できます。在庫管理をきちんと行わないと、毎月の原価はその月に支払った仕入や修繕費になってしまいます。

しかし、仕入れた車や修繕が、今月売れた車の費用とは限りません。むしろ取り扱い台数が増えると、来月以降に売れた車の費用になることのほうが多くなります。在庫管理を正しくすることで、今月売れなかった車の仕入代金や修繕費を今月の経費から除くことができます。現状をきちんと把握するには必要な作業です。

節税は損をする

税金はできれば払いたくないという気持ちはよくわかります。しかし経営においては節税を意識しすぎると損をする。これは会計上よくあることです。

そもそも節税には「一時的な節税」と「永続的な節税」があります。

「一時的な節税」とは、今年の税金が減る代わりに未来の税金が増えるものです。世の中にある節税商品と呼ばれるものはすべてこの「一時的な節税」です。そのうえ、節税商品を取り扱う会社の手数料が必要なため、トータルで見ると会社の現金が減ります。最近取り締まりが厳しくなり減りましたが、一時期有名だった節税商品は保険商品です。保険は良い商品です。ただし、節税目的で使う保険はあまり良くありません。あくまで戦略的に使いましょう。

次に「永続的な節税」です。これは租税法に書かれているものか、決算前に経費を増やす方法の2択です。本来前者はそもそも節税行為ではなく、ルールに従って計算上税金が減るものです。後者は必要なものの購入なら問題ないのですが、ついつい税金を減らしたいがために必要だと自分に言い聞かせて購入することが大半です。本当に必要な機材や設備は経営上必要なものであって、税金の多寡で決めるものではありません。

そして節税には現金が減ること以上に大きな弊害があります。節税とは税金を減らすことですが、税金を減らすためには利益を減らす必要があります。節税に集中してしまうと会社の舵取りをする社長の意識が、無意識に利益を減らす方向に向いてしまいます。社長の仕事は会社を安定・成長させ、利益を稼ぐことです。節税判断は、経営戦略を共有できる税理士に相談しましょう。

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会計を外部に出す費用より社長の時給のほうが高い

会社経営をするうえで会計は欠かせない道具です。使わない経営はリスクが高くなります。こういった分野が得意で自分で行うことができる方は自分で、苦手な方は専門家に依頼することをお勧めします。

苦手であるにも関わらず、外部に出す費用がもったいないからという理由で社長が経理をすることが多々あります。目の前のお金だけを見れば、一時的には効果的ですが、苦手な作業に長時間かけても会社には1円も利益を生みませんし後にもつながりません。

会計は税理士に任せ、得意分野に時間をかけて会社の売上と利益を増やしましょう。

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